テーマ「発達および進化から移動動作を考える」
ヒトを含むあらゆる動物の生活において移動動作は必要不可欠なものです。ヒトの移動動作のなかのひとつ、「歩行」をLocomotionとして考える場合、単に歩くという活動を表すのではなく、「だんだんと歩けるようになり機能性が増す」というニュアンスとして捉えます。つまり、歩くことが目的にはならず、機能的な活動を達成するための手段として「歩行」を用いています。また、ヒトが行う機能的な活動における発達及び進化には必ずSequenceが存在します。過去から現在まで生き残った生物は、環境に適応することで生得的行動を確立させてきました。ヒトの発達及び進化におけるSequenceを知ることで、大人の効率的な歩行に必要な要素を知る一助となります。
本ワークショップでは、移動動作をLocomotionに限定し、進化の過程でどのようにヒト特有の2足直立歩行を確立させてきたのか?赤ちゃんが大人へと発達・成長してゆく過程でどのように効率的な歩行へと変容してゆくのかを考察します。さらに、KinesiologyやFeldenkrais
Methodの考えも取り入れながら多角的にLocomotionを捉え、中枢神経系の障害はもとより、運動器の障害で移動動作の低下をきたした方へのアプローチにも有効な考え方が身に付きます。